医療は受ける場所によって
①外来医療(外来診療):病院や診療所の外来に通って受ける
②入院医療:入院して受ける
③在宅医療:患者さんの自宅などで受ける
の三つに分かれます。
在宅医療のなかで医師が患者さんの自宅などに出向いて行う診療が「往診」や「訪問診療」です。
医師が、診療上必要があると判断したとき、予定外に患者さんの自宅などに赴いて行なう診療が「往診」です。
これに対して、在宅医療を行なう患者さんで、疾病や傷病のため通院が困難な方に対し、医師が、あらかじめ診療の計画を立て、患者さんの同意を得て定期的に(たとえば1週間に1回あるいは2週間に1回など)患者さんの自宅などに赴いて行なう診療が「訪問診療」です。
在宅医療は、医療関係者が、患者さんやご家族と相談の上、計画にもとづいて定期的に訪問し、治療や経過観察をする医療行為です。在宅医療には、医師が訪問して診察や経過観察を行う訪問診療、看護師が訪問してケアを行う訪問看護、理学療法士や作業療法士が行う訪問リハビリテーションなどが含まれます。
在宅医療を検討する際には、在宅医療の特徴をよく理解し、しっかりと考えて在宅医療にするかどうかを決めることが重要です。
病院や診療所での入院医療、通院して受ける外来医療と並んで、住み慣れた自宅などに医師などの専門職が訪れて行なう在宅医療が、いわば第3の医療として注目されています。
病気になった際に、どのような医療を受けるかは、患者さん本人の選択、患者さんやご家族の心構えが重要です。
在宅医療では、住み慣れた環境で療養を行なうことになります。入院医療では、病気を治すことに集中します。もちろん、日常生活においてもさまざまな制限を伴います。
自宅などの住み慣れた環境での療養生活は、自分にあった生活を送ることができます。一人暮らしでも、ご家族がいる人も、精神的にも安定するので、症状が改善されることも期待できます。
また食事については、味になじんでいるものなので、食欲に良い影響を与えると思われます。経済的にも、在宅医療のほうが入院治療を継続するよりも安くなります。
一方、在宅医療では、ご家族と同居している場合、患者さんのご家族の協力と心構えが必要です。
”入院治療で日常のケアは看護師が行いますが、在宅医療では食事や服薬の世話まで家族がサポートしなければならないケースもあります。”※
また、緊急時の不安をできるだけ解消するための工夫も必要となります。普段からかかりつけ医と連携できる体制をしっかり整えておくことや、24時間対応の訪問看護サービスを活用して、リスクに備えることが求められます。
在宅医療を始めるにあたって、それにかかる費用は重要な問題です。在宅医療に必要な費用は、具体的な要介護度とケア内容によって異なってきますので、公的な医療保険を活用しながら、ケアマネジャーに相談するなどしてプランを作っていきます。
※高額療養費制度により医療費には上限があります。
※交通費は当院では請求しておりません。
高額医療費(医療費自己負担額の上限)保健の種類、世帯収入などによって異なります。
■75歳以上の後期高齢者医療の被保健者の場合(例)
居宅療養管理指導についてケアマネージャー様への定期的な診療情報提供を行います。
※検査や処置について特別な管理料を要する場合は金額が異なります。なお、薬剤費は別途かかります。
健康保険の毎月の自己負担金が一定以上になった場合、払い戻しが受けられます。上限額は、年齢や所得、利用している健康保険の種類によっても異なりますので、詳しくは、健康保険証に記載された問い合わせ先(保険者)に確認してください。この払い戻しについては、自主的に申請することが必要です。
在宅医療の実施に際しては、患者さんのより生活しやすい住環境を整えることがとても大切です。
患者さんにとって家の中が負担の少ない動線になっているか、安全面に配慮されているかなど一度確認してみてください。例えば、玄関から屋外へのアプローチ、ベッドから食卓への移動の状況、トイレや浴室の構造などを見直すことで、患者さんのQOL向上やご家族への負担の軽減が期待できます。また、電動ベッド、ポータブルトイレ、車いす、手すり、杖などは患者さんのADL(日常生活動作)に合わせた補助器具を利用するようにしましょう。ベッドや車いすなどは介護保険の利用もできます。このような住環境の見直しについても、あつぎライフケアクリニックにご相談ください。